海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年もセカンドライフ等について思索したく。

リモート勤務の建付けの秘訣 |『リモートワークの達人』ジェイソン・フリード/デイヴィッド・ハイネマイアー・ハンソン 訳:高橋璃子

皆さん、こんにちは。

 

突然ですが、自宅勤務、どう思われますか?

うちの会社では週に2日の自宅勤務が許されており、当方もフルに利用しています。

良いか悪いかでいうと、確かにいいですよ。まずもって通勤時間がなく、その分の身体的負担がない。

ただ、会社勤務の良さも確かにあると考えます。すぐに質問できる。ちょっとした説明をするときに手書き(粗描ですが)で図示できる。

これがオンラインだと、図示するときは空のエクセルをあけて、(その場で)罫線を引いてBSを書いたりして説明したりと、対面と比較するとスピードが落ちる。そのほか、やる気も確かに落ちるかも。

 

で、本書。今から10年以上前、2013年に発表され、コロナを経て文庫化されたとのこと。

自分が取り入れられていない効率的なリモートワークの妙技があればと思い手に取ったものです。

 

それでは本題に参りましょう。

 

概要

「オフィスのない世界」が突然やってきて、仕事と職場をめぐる常識は一変した。怠けよりも働きすぎに注意しよう。無駄な承認や手続きは根絶しよう。存在感は仕事でアピールしよう。部下を見張るのはやめにしよう。1日のリズムを作ろう......世界中に散らばる36人の社員を率いて数百万人ものユーザーに製品を届ける経営者コンビが贈る、リモートワークのバイブル。『強いチームはオフィスを捨てる』改題。解説/横石崇

 

今はそこまで驚かない!?

タイトルにある通り、内容は、リモートワーク・自宅勤務をメインに据えた働きかたのススメ、であります。

 

コロナを経て、今やリモートでの勤務が概ね機能することは多くの人の知るところとなりました。ですので、本作に出ているような極めて自由なワークスタイルを提供する会社についてはそこまで驚かないかもしれない(それでもすごい会社ですが)。

 

オフィスはある。だけれども、来てもいいし、来なくてもよい。休みは自由にとっても良い。むしろ働き過ぎに注意。海外の従業員については委託契約で対応(ベネフィット等換算分を厚めに支払う)。

 

素直に聞けば、筆者の会社は羨ましい限りであります。

 

自由な働き方を可能にするもの

で、こうした自由が可能な理由を幾つか筆者は挙げています。

 

例えば、採用について。ここは非常に参考になりました。

筆者の企業はIT系なので、希望者にはまずパイロット・プロジェクトで腕試しをしてもらう。そこをパスしたらオフィスで一か月~数カ月一緒に働いてもらう(当然給料は出る)。その上で現社員からも意見を聞き、オファーを出すとのこと。

また、リモートということで、コニュニケーションが文字だけになることを考慮して、メールの書き方なども確認するそう。そういう言い方・ニュアンスに配慮できる人を取るってことですよね。これも確かに、と感じました。

なんなれば、採用には時間もお金も十分かけるということ。そして『実技』と『フィット感』も精査する (P.164近辺)。これは私には欠けていた視点です。履歴書と面接だけしかしないで、それは失敗します。

 

そもそも『リモートだと仕事しないかもしれない』という信頼度の人はハナから採用していないのですね。この会社は。

 

また、やりがいや知的興奮を与えられるように会社として努力するという発言もありました(P.61-64)。そうした意見は、部下育成術的な本でも『会社のダイレクションと部下のダイレクション(ベクトル)をなるべく合わせる努力をするべし』みたいなことが書かれていたことを思い出します。

 

コニュニケーションについても同意できる意見がありました。

オフィスでの直質問を批判しての文脈ですが、①数時間待てるのならばメールを投げる②緊急の質問ならばインスタントメッセージ③それでも返信が来ないのならば電話をして確認。これをリモートワークでのコニュニケーションのデフォルトに設定すると。

このように決めていれば、対面で相手の時間をとらずに効率的に仕事ができるとのことでした(P.81)

 

対面の直質問の簡易さは私には捨てきれませんが、上記のコニュニケーションについては概ね賛成です。今や会社内はグローバルにmicrosoftのteamsで誰彼なく人の時間に侵入してくるので、あれは本当にいやだなあ(ごめんなさい)と感じております。なにせ、文脈もへったくれもなく突然『これこれを教えてくれ』とか飛んできますし。

便利なのはわかりますよ。あまりに簡単すぎてうっかり他人にも同じことをしてしまうこともあります。でも、自戒も込めて、私は安易すぎるコニュニケーションは控えたいと考えています。

 

で、これらをまとめれば、そもそも成熟した大人(しかもその仕事に熱意を持っている)が、一定のコアルールに基づき、夫々が裁量で仕事をこなす、という会社なのですね、筆者の会社は。であれば、リモートでもフィジカルでも何ら問題ないことは自明です。

 

その他メリット

その他、リモートにメリットがあることについて幾つか列記しておきます。

 

・フルリモートはDRの代替になりうる(P.118)。確かにって思いました。

・給料に格差をつけない(P.165)。都心の給料を設定し、田舎・地方・海外の優秀な人を採用する。これもいい選択だと思います。

 

なるほどなあーと思いながら読みました。

 

おわりに

ということでリモートワークについての本を読了しました。

使えるテクニックというよりも、会社としての建付けや採用から配慮することで自由なリモート体制を構築しているという印象を受けました。

 

旧態依然な会社がそのままやってもなかなか上手くいかないかもしれません。ただ、中小や若い会社は試してみる価値がありそうな感じです。

 

評価 ☆☆☆

2025/12/13

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