海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

2024-01-01から1年間の記事一覧

作品の書き口と大分ギャップがある!夢想家?天然? |『とにかく散歩いたしましょう』小川洋子

読了してから一週間近く経ってしまい、印象が薄れてきています。 こういうとき、電子書籍というのはちょっと面倒ですね。読中メモは残せますが、私の端末は手書きのようにササっというわけにいかない。というのは私の持っている端末がかなり古いからですが。…

作家の多才ぶりを見せつける奇想短編集 |『いのちのパレード』恩田陸

皆さん、こんにちは。 私はそもそも本好きではありましたが、社会人になってからはそれ程本は読んでいませんでした。きっと読んでも10冊あったかどうか。 思い返せば、本をゴリゴリ読むようになった切っ掛けは2つほど。 10年前、日本から逃げるように海外に…

マイクロマネジメント神、降臨! |『七十人訳ギリシア語聖書』出エジプト記、訳:秦剛平

さて、昨年から始めている聖書読んでみようキャンペーンですが、今般旧約聖書の出エジプト記を読了しました。 ひとこと 結果から言うと、ループ的記述と、マイクロマネジメント神、が印象的です。 神さまは我慢強い?というかTry&Error好き? 本出エジプト記…

安定の「静謐」さで世界を優しく描く。 |『猫を抱いて象と泳ぐ』小川洋子

皆さん、こんにちは。 当地では旧正月を迎えました。 激しく鳴り響く爆竹を十数分と親族との過食?とを堪能しました笑 改めて思いますが、華僑の方々は本当に家族を大事にしますよね。集まりが大好き。そして話好き。私は広東語が喋れんので、連れていかれて…

軽妙な筆致でワイルドな軽自動車旅行を綴る。楽園、見つかりましたか? |『今夜世界が終わったとしても、ここにはお知らせが来そうにない。』石澤義裕

皆さん、こんにちは。 とうとう居所に戻ってきました。 当初、ローマからアブダビで乗り換えの予定でしたが、ローマでの出発が遅れ、乗り継ぎに接続できず。結局、アブダビからドーハ、ドーハから居所へ戻ってきました。 驚いたのは、EUでは飛行機が当初予定…

意外に読める女性の恋愛バトル!? |『彼女の嫌いな彼女』唯川恵

イタリアで一番?印象に残ったピサの斜塔。 皆さん、こんにちは。 とうとう短い旅行も終わりに近づきつつあります。これまでヨーロッパはフランスと今回のイタリア、二つしか行ったことがありません。で、もし、住めるとしたら、と考えると、やはりイタリア…

社会の同調圧力と狂気の一個人との相克 |『コンビニ人間』村田紗耶香

滞在先のAirbnbの宿からアルノ川を望む。一泊一部屋一万一千円也。 皆さん、こんにちは。 フィレンツェで感じたのですが、こちらは「犬天国」であります。電車の中にも犬、お店の中にも犬、散歩のお供に犬。本当に多くの現地の方が犬を連れて歩いています(…

人間を通じて辿るローマ通史 |『教養としてのローマ史の読み方』本村凌二

皆さん、こんにちは。 数日前までローマにおりました。皇帝の像とか、ヴァチカン博物館に確かにたっくさんありました。んが、改めてローマ史は書籍で読むとなかなか難しい、と感じました。 かつてギボンの大著も、本村氏の別のものも読んだことがあります。…

村田さん、天才か!?すごいディストピア |『信仰』村田紗耶香

皆さん、こんにちは。 たまには気まぐれを起こすものだなという話を。 私はかなり頑固だと思います。決まった仕事を決まった計画で淡々とこなすことが好きです。 読書に関しても同様で、価値の定まったものに一定の時間を割き、じっくりと堪能し尽くしたい思…

古代ローマ入門。説明・ビジュアルが理解を後押し!|『古代ローマ 饗宴と格差の作法』祝田秀全

皆様、こんにちは。 旅行に出ていて感じるのですが、普段より疲れます。まあ、遊んでいて疲れるとか言って生意気な話なのですが。 考えれば、自宅勤務だと8時45分の始業ですから8時過ぎに起きても問題なし。終業17時45分ぴったりにPCをシャットダウンするこ…

「閉塞感」「喪失感」の中に希望と恢復を描く |『ダンス・ダンス・ダンス』村上春樹

(前段与太話です。失礼します。) 皆さんこんにちは。 突然ですが、今まで一度に大きな買い物(キャッシュアウト)って、どれくらいでしょうか? いやあ、実は私のところの1月のクレジットカードの請求額を見ていてちょっとたじろいだって話ですが。78万7,4…

結構有名なエピソードいっぱい |『七十人訳ギリシア語聖書』創世記、訳:秦剛平

昨年から引き続き今年も聖書にチャレンジの年にしていきたいと思っています。 昨年は所謂解説書が多く、何だか聖書の中心で円を描きながらうろうろするばかりで、核に「ズバ」っと進むことが出来ませんでした。 新年を迎え何とかその核心に至る一歩を踏み出…

絵画って奥が深い!うんちく心が刺激される! |『恋する西洋美術史』池上英洋

皆さん、こんにちは。 私の会社では、今年から週三日のオフィス勤務が義務化されました。なんというか、これがきつい(泣) 実に甘ったれた泣き言なのですが、これが現実。金曜の晩はもうぐったり。 3-4年続いたコロナ期を経てしっかり年もとりました。また…

面白いのに、イヤミス的な後味の悪さ。その癖こそが魅力!? |『PK』伊坂幸太郎

皆さんこんにちは。 うちの会社、始業は8:45なのですが、週3ある出社日はいつも7:00くらいに出社します。朝早く何やっているのかというと、昨年末に読んだ『メモの魔力』を片手に1000本ノックならぬ1000問自己分析をしています。 50前のおっさんが今更?な感…

英語でエンタメ小説を!格式のある美しい英語 |『THE BODY IN THE LIBRARY』AGATHA CHRISTY

皆さん、こんにちは。 アガサ・クリスティの本を見るといつも冒頭につらつら書かれているのですが、何でも彼女の著作は世界で(累計で)三番目に多く売れたそうです。 一位は聖書、二位はシェークスピア、そして三番目はアガサです。 ・・・なんてことを聞く…

イタリアに行く予定がある方、丁度帰ってきた方は楽しく読めるかも |『イタリア 24の都市の物語』池上英洋

皆さん、こんにちは。 えー、イタリアに行くことになりました!しかも月末に!時間がない!でこの読書はそのための布石です。 日頃から金がない金がないと言っていますが、今回は完全に冥土の土産を意識しています。あとはどうにも方向の定まらない長男君(…

コンパクト・ハンディな三菱事始め |『岩崎弥太郎と三菱四代』河合敦

皆さんこんにちは。 本日は小噺なし笑 一週間疲れました。 ざっくりと タイトル通りの三菱四代についてコンパクトにまとまった作品。 四代と言いますが、ページの配分的にはざっくりと、初代の弥太郎が65%、その弟で二代目の弥之助が25%、残り10%が三代目四…

ダメンズ選手権入賞はカタいか!? |『僕のなかの壊れていない部分』白石一文

皆さんこんにちは。 新年あけてはや一週間ですが、二日から仕事をしていますと普通に正月気分ではありません。むしろここ東南アジアの端くれでは、来月やってくる旧正月にむけてスーパーではミカンの販売が多くなり、街はオレンジ・赤の雰囲気が強くなります…

世のプレイングマネージャー諸君、君たちは聖人君主たりうるか |『部下が勝手に活躍する魔法の質問』伊藤治雄

50間際の窓際として、今まで一人でやっていた仕事に、部下を付けられました。 でも、何だかうまくいきません。 アニメの世界だと無骨な職人は一見ぶっきらぼうも、大抵は根が優しいもの(無骨で恥ずかしがり屋でね)。でも私はダメでした。大声こそ出さない…

不条理の極北 |『日本軍兵士』吉田裕

皆さん、こんにちは。 私は、日本軍関連の書籍が存外に好きです。 別に、子供のように強いもの・大きいもの・早いものが好きというわけではありません。むしろ、何でここまでひどい状況になってしまったのかという組織論的な関心、あるいは、このような悲惨…

プロのプレゼン術基礎。ヒントとテクニックが山盛り |『わかりやすく<伝える>技術』池上彰

皆さんこんにちは。 突然ですがすんごいバンドを見つけました。見つけた、というより漸く知った、という事なのですが・・・。あの、髭男っていう奴ですが、驚きました。『SPY X FAMILY』のタイアップ曲になっていた『ミックスナッツ』という曲なのですが、ジ…

水郷地帯で頻発する失踪事件。人のアイデンティティとは |『月の裏側』恩田陸

皆さん、明けましておめでとうございます。 新年早々、嫁と夫婦喧嘩をしております。はあ。 今年も私は嫁の月として彼女の周りをぐるぐるとしていくことになりそうです。 そして、もう一つ。コメントをぎゅぎゅぎゅと短くしてみたく思います。時短、ですね。…

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