海外オヤジの読書ノート

中年おじさんによる半歩遅れた読書感想文です。今年はセカンドライフとキリスト教について考えたく!

2021-01-01から1年間の記事一覧

中国製コロナワクチン・シノバック接種一回目

* image is taken from https://www.straitstimes.com/asia/se-asia/sinovacs-covid-19-shot-highly-effective-against-serious-illness-malaysia-study 中国製ワクチンを打ちました 今更ですが、東南アジアの片隅でワクチンを打ってきました。こちらでは主…

会計職には基礎固め的、関連職には入門書か ― 『金融機関のための金融商品会計ハンドブック』著:岡本修

今年の6月くらいから自分の仕事や業界をもう一度勉強し直そうと考え、本棚に眠っていた本を事業仕分けがてら読んでおります。本作はその過程で手に取ったものです。 ハッキリ言って金融関連ないし経理・会計職関連の方以外には全く面白くないと思います。だ…

ロンドン近郊を舞台にした連続作人事件。面白い! ― 『ABC MURDERS』著:AGATHA CRISTIE

先月読んだ『MURDER ON THE ORIENT EXPRESS』が存外に面白く、かつ直近で読んでいた英語の本が非常にストレスフルであったので、気分転換にこちらの本を読んでみた次第です。 lifewithbooks.hateblo.jp (実は5冊セットのボックスを購入しました。そのうちの…

人間の認知・理性の「くせ」が分かる本 ― 『予想どおりに不合理』著:ダン・アリエリー 訳:熊谷淳子

先日著者の『ずる』という作品を読みました。人間が実に巧妙に自らを正当化してずるをする様子が描かれており面白く読みました。 lifewithbooks.hateblo.jp 今回読んだ作品は上記『ずる』と一緒に買っておいた作品。『ずる』よりもちょっと分厚めだったので…

暴君をいただいた家族の哀しい結末 ・・・- 『血と骨』著:梁石日

昭和を駆け抜けた韓国人の、その暴力と性と身勝手さが突き抜けており、ドライブ感に圧倒されました。ただ、読後にはどんよりと胸の底に苦しいものが残る、イヤミス的な(ミステリではないけど)感覚を憶えました。 本作は筆者である梁石日氏が父親をモデルに…

日本人の『空気』の源とは ― 『「空気」の研究』著:山本七平

以前山本氏の『一下級将校のみた帝国陸軍』を読み、その徹底した日本帝国陸軍批判に感銘を受けました。軍隊という命を預かる組織にあって、非合理的な決断が横行していた様子、そして上級軍人の余りにも軽い転向がビビッドに描かれたからです。 それ以後、お…

かつての悲惨なロンドンが生々しい。ストーリーは普通か ― 『OLIVER TWIST』著:CHARLES DICKENS

以前、『大いなる遺産』を読みました。凄くではないのですが、150年以上前のものとしては読めるじゃん、意外と面白いよ、というのが感想でした。 lifewithbooks.hateblo.jp その時の「意外と面白かった」が頭に残っている時分、近くの新古品を売る書店でこち…

反グローバリズム入門、かな―『グローバリズムが世界を滅ぼす』著:エマニュエル・トッド、ハジュン・チャン、柴山桂太、中野剛志、藤井聡、堀茂樹

新自由主義とかグローバリズムとか、しばしば耳にし、また口にもする割に、どこが良くて何がどう良くないのかについては、実はよくわかっていないようにふと思いました。 過日、トッド氏の『問題は英国ではない、EUだ』を読み、類書にあたる本書も読んでみよ…

深すぎる愛の果てにたどり着くところとは? - 『容疑者xの献身』著:東野圭吾

本嫌いの長男が中二くらいのときに、初めて「この本、読んでみたい」と言ってくれた我が家にとっては記念すべき一冊。その後高校に進学して本には見向きもしていないようですが(本人曰く、忙しい)、夏休みには東野作品をブックオフで調達し、読んでみてい…

生物の妙!生物学は面白い―『ゾウの時間ネズミの時間 サイズの生物学』著:本川達夫

今から30年くらい前、私が高校生の頃、大学受験用の現代文でしばしば取り上げられていたのが本作「ゾウの時間 ネズミの時間」でした。生物学って面白いやんか!と感動したことを覚えています。もっとも、数式も結構出てくるので、数Iで数学に挫折した私には…

ちょいめんどくさい自意識過剰女性、自己回復の話。分からんでもないけど・・・- 『うつくしい人』著:西加奈子

この本、読中めちゃくちゃ疲れます。なんというか、そう、メンドクサイ! あらすじ 小金持ちの家の娘、百合の話。けっこう自意識過剰。姉は天真爛漫で美しく、でも引きこもりとなった。対して百合は世間の空気を読みつつ学生時代も社会人時代もサバイブして…

人は多様にずるをする!ずるの正当化がすごい!―『ずる 嘘とごまかしの行動経済学』著:ダン・アリエリー 訳:櫻井祐子

私の個人的なテーマとして人間とは何か、という疑問があります。 生物学的な仕組みも、感情の動きも、精神と肉体の繋がりもすべて興味があります。その関心は、学部生の卒論時から細々とですが途切れることなく続いています。 その点、本作も人間の癖や性向…

机のわきに置いておきたいデリバ辞書―『デリバティブキーワード300』著:住友信託銀行マーケット資金事業部門

この使い古された本は、私のメンターが日本へ本帰国になった際に置いていったものです。「じゃ、これ、どうぞ」 こういう時は、これくらい分かっておいてくださいという意味です。 ロックダウンが続き、通勤が不要になってから大分経ちますが、ふと「俺最近…

箴言集、あるいは政体論。政治ないし中世ローマ等の専門家向けか―『ディスコルシ 「ローマ史」論』著:ニッコロ・マキァヴェッリ 訳:永井光明

正直言うと、安さにつられて買ってしまったんです。 ひと月くらい前でしょうか。通常価格1,700円くらいの本作が499円でした。しかもポイントがさらに200円分。ということは実質300円。安くないか!?しかも私の好きな歴史関連!Amazonレビューでもなかなかい…

意味深な例文にハッとする笑 単調でない読み取りドリル

今春から日本の高校で学ぶ息子の楽しそうな姿を見聞きし、中学生の娘も『私も日本の高校に行きたいかも』と言い始めました。 本当に行きたいのならいいけど、あたな、日本語大丈夫? 結構ルー大柴みたいだよ!? とはいえ、やる気があるのにそれを潰すのも忍…

親日はうれしいけど、真の融和はどうすれば可能か分からない―『親日派のための弁明』著:キム・ワンソプ 訳:荒木和弘、荒木信子

大日本帝国が20世紀初頭から第二次世界大戦までに繰り広げた蛮行に関し、メディアで報道されるたびに、その子孫の一人である私は悲しくなります。 学校でも習うし、きっとそんな蛮行は本当なんだろうなとは思いますが、本当に悪いことだけだったのか、という…

正しいとは何か?んなの分からないよ!!―『これから「正義」の話をしよう』著:マイケル・サンデル 訳:鬼沢忍

今から約10年程前の作品。あのころは非常に盛り上がっていたように思います。コロナやオリンピックで騒がしい昨今、古本屋に並んでいた本作に、ブームは完全に去ったと判断し、そろそろ読んでみようと思い手に取りました。 しかしまた長いタイトル。原題は”J…

ユニークなキャラたちが雪山でひと騒動(サスペンス系)- 『疾風ロンド』著:東野圭吾

妙に寝つきが悪い晩、読みかけの本を一冊読み切り、それでも眠れず読み始めたのがこちら。ふて寝ならぬ、ふて夜更かしを決め込み、あっという間に読了。 雪山を舞台にしたスリラーであるこの作品、東野作品としては安定した楽しさを味わえる一方、既視感にも…

ミステリの名作。作品が面白く英語でもどんどん読める。―『MURDER ON THE ORIENT EXPRESS』著:AGATHA CHRISTIE

娘が学校の友人から借りてきて激賞していたので、そうなんだぁー、へー、と言いつつ自分も読んでみたくなり、早速試してみた次第です。 因みにこちらのジャケはインド亜大陸特別版とのことです。買ったのは東南アジアですが。 名前はよく聞いていましたし、…

自由主義の成立は中国から!?今後の日本を考える良書―『中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史』著:與那覇潤

購入して通読二度目。相変わらず面白い。 lifewithbooks.hateblo.jp 本作は歴史書の顔と日本論の二つの顔を持つと言えますが、そのどちらの切り口も非常に興味深いものだと思います。 中国化とは自由主義のこと!? 歴史書としては「中国化」の概念の導入。 …

ジェンナー伝を読んで、ワクチンやら自己決定権やら相互理解をつらつらと。―『ジェンナー伝』著:小酒井不木

コロナ禍の下、これほどまでに予防接種について世間が関心を持ったことは、私の40年強の人生ではなかっと思います。 ジェンナーは世界史でほんの一瞬ちらっと「予防接種の祖」、のような説明で出てきて興味が湧きました。ジェンナーについて知りたいなと思っ…

「君臨すれども統治せず」の伝統はここから。イギリス貴族の気風の歴史を面白く伝える良書!―『MAGNA CARTA』著:DAN JONES

世界史を勉強していると、やれフランス革命だ、やれアメリカ独立戦争だと勉強するのですが、その都度引用されるのがマグナ・カルタ。したらマグナ・カルタって何なの?と思い、近くの新古品を並べる本屋で本書をゲット。円換算で500円程度でした。 読後の感…

ちょっとかじった初級者の復習用にピッタリ!?―『世界一簡単なフランス語の本 すぐに読める、読めれば話せる、話せば解る!』著:中条省平

数年前、奮発して家族でフランス旅行に行きました。 その際、こなせないとわかっていながらも、4・5冊はフランス語の本を買ったでしょうか。 因みに、私のフランス語歴は2年。ドイツ哲学が専攻でしたのでちょっとは役立つかなと学生時代にチャレンジしました…

やや雑然とした論説集、だけど面白いオジサンだと思います―『問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論』著:エマニュエル・トッド 訳:堀茂樹

以前、私のメンターが筆者のエマニュエル・トッドのことを引き合いに出してモニョモニョいっていたことがあり、どうやら読めと言うことだなと忖度し購入したものです。それから少し時間がたったのですが読んでみた次第です。 カバー裏の窓には筆者の肩書とし…

イタリア諸都市の教科書。世界史(文化史)の復習用に―『ヨーロッパの世界遺産①イタリア・ギリシア』監修:水村光男

巣ごもり生活も早一年強つづき、最近外に出たくて出たくて頭がおかしくなりそう笑 脳内旅行で我慢する日々ですが、今回は旅行エッセイではなく、結構真面目な文化史の話です。 私事ですが、今年の目標は世界史の勉強。子供たちのために契約したスタディ・サ…

内容に新味はない陰謀論も、時宜にかなう考える材料に―『医療殺戮』著:ユースタス・マリンス 訳:天童竺丸 監修:内海聡

以前読んで驚きと共に妙な感激(“そうだったの?知らなかった!的な”)を覚えた陰謀論。コロナ禍の下、改めてどんな内容であるか確認したく再読してみました。 再読後の感想は、イマイチ微妙、という感じです。 医療をはじめ社会に溢れる欺瞞を暴いて見せて…

金融専門家をほぼ100%否定する投資入門―『臆病者のための株入門』著:橘玲

お金についての不安。 シングルであろうが、世帯持ちであろうが、若者であろうが、老人であろうが、この問題はついて回る。 ましてはこんな世の中。 政府は滅茶苦茶な政策ばかり、年金不安も拭えない、金融機関はお金に働いてもらいましょうとあおってくる、…

食材の糖質を個別に確認することで見えてくるものがある―『食品別糖質量ハンドブック』著:江部康二

糖質制限ダイエット、皆さん試したことありますか? 私も試してみて効果を得ましたが、極端な反応も多いような気がします。ラーメンの麵残すとか、牛丼のご飯残すとか。極端だからこそニュースになるのだとは思いますが、やりすぎじゃないかなとも感じます。…

旅行に行けない泣 ならば旅エッセイで我慢しよう! 『いつも旅のなか』著:角田光代

コロナ禍のなか、私が住む地域ではロックダウンが続いており、息苦しい日々から抜け出せずにいます。どうにも旅行に行きたい!とばかりに再読しました。 角田氏、小説は読んだことないけど、旅エッセイは面白かったです。 普通の人は選ばないような場所(ネ…

米国陰謀論を原書でよんで死んだ話―『The FEDERAL RESERVE CONSPIRACY』著:EUSTACE MULLINS

陰謀論は好きです。ただ、わざわざ原書で読む必要もなかったな、と読後に後の祭り的後悔。いや、大変疲れました笑。 内容はFRBの設立とその仕組みについてなので、金融知識についても相応の知識が求められるものでした。英語も難しかったです。 章立てはすべ…

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